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ワタミ・渡邉美樹代表取締役社長CEO
editorCALLING!2006年10月28日 3:49 PM
ワタミの本社社長室にて行われた、渡邉美樹代表取締役社長・CEOへのインタビューの裏側を届けるWeb限定企画。
「社名変更の背景」
弊社は22年間にわたってフードサービスを展開してきました。中食(家庭外で調理された食品を、家庭に持ち帰り食べる食事形態)や外食だけなら、ワタミ フードサービス株式会社のままでも良かったのですが、介護・教育という新事業の開始を“第二の創業”と位置づけまして、周りにも分かりやすいワタミ株式会 社に社名を変更しました。
我々の外食産業はこのままいっても、そこそこの東証一部上場企業として存続するだろうとの予測がありました。ただ、日本を代表する企業になるためには、社名の変更が必要だった、という言い方もできますね。
「介護士の教育」
なぜワタミが介護事業に参入したか、という思いを教育の場で生徒たちにぶつけたい。それによって彼らが将来ワタミに来なくても構わないのです。各地に散っ てもらえるならば、より私たちの思いが広まる。ワタミの教育は自分たちの介護施設のためだけの教育ではありません。あらゆる介護にかかわる方のための教育 をしたいと考えています。
「経営における周囲との兼ね合い」
事業経営には実は兼ね合いもへったくれもないのです。兼ね合いがあるということは、自身の中に矛盾やうそを抱えているということ。24、5歳の若い時は私 もそうでした。世間で言うところの「世のため人のため」という言葉には、個人の欲に紛れたうそがある。ですが、すべての活動が真に「世のため人のため」に なったときには、何の矛盾も発生しないのです。だから企業理念というものはその経営者と社員がどう生きているか、ということにほかなりません。
「起業家たちに思うこと」
完全に価値観が出来上がってから、新しいステージに踏み出す人はまずいません。中途半端な状況で皆迷いながら一歩を踏み出して、その道程で傷つき、あるい は気が付き、ある人は気が付かずに進む。見ていると、もっとこうしたらいいのにと思うこともありますが、どんなことでもその人が通るべき道なら止める必要 はありません。応援をしてあげればいいのです。
「周囲の目」
自分のことは自分が一番知っていますから、周りがなんと言おうが関係ない。自分で一番分かっている。ただし、周りがどんなに褒めても自分がずるかったら許さない。自分がよしと思ったら、一万人が間違いと言っても関係ありません。
「求められる社会への姿勢」
私は総論賛成で各論反対という日本人が大嫌いです。世間はお年寄りの幸せを願い、皆これに同意します。ところが、今の介護保険の改訂については誰も文句を 言わない。「もっと良い政治になったらいい」と口では言いながら、多くの人が投票に行かない。農業にしてもそうです。日本の農業が強くなることを願うにも かかわらず、では海外に負けないくらいの農業法人をつくろうと言えば、それは自分の食い扶持なくなるからやめてくれと言う。
最近は、正邪と損得の判断基準がおかしいのではと感じる事件・事故のニュースをたびたび目にしますし、ワタミの教育の現場でも具体的に気付かされる 点が多くあります。大事なのは、まず自分を外に置いて考えられるかということ。そうすれば、おのずと“やるべきこと”と“あるべきこと”が一つの方向に向 かうはずです。
渡邉美樹(わたなべみき)
1959年生まれ。神奈川県出身。明治大学商学部卒業後、会計システムの会社に半年勤めた後、1年間運送会社で働いて独立資本金300万円を貯める。84 年に(有)渡美商事を設立し、「つぼ八」のFC店オーナーとして起業。86年に(株)ワタミを設立し、87年にワタミフードサービス(株)に社名変更。 00年3月に東証一部上場を果たし、05年ワタミ(株)に社名変更。同年を第二の創業と位置づけ、外食にとどまらない介護・農業・教育・環境の各事業を拡 大展開している。
ワタミ(株)http://www.watami.co.jp/
渡邉美樹(わたなべみき)