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【特集】IT担当者は君だ! 背筋も凍るIT導入失敗事例(1)

kikaku特集2008年05月06日 7:27 AM

情報システムの導入は、言わずとしれたIT担当者の重要業務。世の中には幾多の導入成功事例が存在するが、こうした事例は参考程度に見ておく方が良い。むしろ学ぶべきは華々しい成功例の陰に逼塞する失敗事例の中にあるだろう。

「うちには関係ない」と思ったIT担当者の方。社内に必要なパソコン周辺機器定や、ネットワーク機器を、何とな〜く購入ていないだろうか。こうした機器の 選定にも「失敗した!」はつきものであり、その要因は大規模な情報システム導入と何ら変わることはない。ここではシステム導入の失敗事例を検証し、ITを 導入のポイントを紹介していく。いずれも、あなたの身にいつ降りかかってもおかしくはない出来事であることをお忘れ無く。(事例内に出てくる人物名は全て 架空のものです) 080218_sp1_top_ill.gif

【事例その1】ERP導入を決意したA社の場合

業界に先駆けて業務システムのIT化を推進してきたA社は、大手電機メーカーの部品下請け企業。社長は無類の新しい物好きで、知人の会社が持っているものは自社でも欲しいというタイプ。今回も「得意先企業が業務効率の向上を目的にERPパッケージを導入した」という情報を聞きつけて、ほぼ独断で自社への導入を決めてしまった。

ベンダー企業とITコンサルタント協力のもと、スムーズに進んだERP開発プロジェクト。ところが開発も半ばにさしかかったある日、新システムのフィットギャップ分析(企業のビジネスプロセスとソフトウェアの機能が、どれだけ適合し、ズレているかを分析・評価する手法)を実施したところ、新ERPシステムが、既存の業務システムより、業務効率面で劣ることが判明。IT担当者の楠田さんは社長にプロジェクトの見直しを進言した。

楠田「社長、大変です」
社長「どうした?」
楠田「現在開発中のERPシステムですが、このまま導入すると、既存のものより業務効率が著しく低下することが判明しました」
社長「それで?」
楠田「一端白紙に戻し、既存の業務フローとプロジェクトの見直しを図るべきです」
社長「(怒)今回の件はすでに動き出している。どんな形でもERPを導入するのが君の仕事だろ!」

以来継続されたプロジェクトだったが、日を追うごとに泥沼化。最終的には大量のアドオン・ソフトやカスタマイズを実施しなければ、使い物にならないERPシステムが完成した。これらを実施するには、莫大な追加予算が必要になるが、これ以上の予算を割くことはできない。A社は泣く泣くシステムの開発を中断することとなった。

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A社ERPシステムの失敗要因

080218_sp1_1.jpg 『目的が不明確』楠田さんの証言
「ERPの導入に際して、当初は社長の中に“業務効率UP”という目的があるのだと考えていました。いつの間にかERPの導入そのものが目的にすり替わってしまい、業務効率を無視したERP導入になってしまったのです」
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『現場ユーザーの意見を軽視』経営企画担当者の証言
「開発の途中、現場から新ERPシステムの開発を中止してくれという諫言はありましたが、社長は『コンサルタントは問題ないと言っている』の一点張りでした。外部の意見を鵜呑みにし、社内の意見を軽視したというのが手痛い教訓です」

【教訓その1】
IT導入の際には目標を明確にし、手段に固執するべからず!
ユーザーの意見を無視したプロジェクトに未来は無いものと思え!!

【事例その2】課税システムのオンライン化を図ったB県の場合

B県の課税システムは、構築から20年ほどの年月を経たレガシー・システム。当時は、各県が電子自治体の実現に向け活発に動いていたころであり、B県でも「システムをオンライン化しよう!」と課税システムの刷新を図ることになった。とはいえ自治体内にはネットワークに詳しい職員もいない。IT担当者の十和田さんは、システム開発を外部に依頼。開発ベンダー側の作業がスムーズであったため、期日通りに課税システムのオンライン化計画を完了させることができた。本番稼働を間近に控えた年度末、十和田さんは定期人事異動により、他の部署に異動することに。以降のことを須藤さんに引き継ぐことになった。

須藤「十和田さんお疲れ様でした。今度はITと全く関係ない部署に行くとか」
十和田「そうなんだよ。でも県の職員がIT部門に長くいると出世に響くしね。ネットワークの知識がある須藤さんが後任で助かるよ」
須藤「新システム関連の書類はこれで全部ですね。お預かりします」
十和田「あとは本番稼働を待つばかりだね。何事もないといいけど」

須藤さん担当のもと、いよいよ本番稼働を迎えた新課税システムだが、ほどなくして“何事”かが発生した。稼働直後から回線障害の問い合わせが各所から殺到。慌てた須藤さんが作業工程書類を見直すと、なんと本番稼働前に必須であるはずの負荷テストが実施されていないことが判明。早速ベンダーに連絡し、各地の端末からデータを一斉に送信するテスト送信を実施すると、回線接続の設定ミスと、負荷分散の不具合が見つかった。十和田さんが上司からきつい追求を受けたのは言うまでもない。

B県課税システムの失敗要因

080218_sp1_3.jpg 『IT担当者のスキル不足』十和田さんの証言
「自治体の中にはITに詳しい人がいません。私も同様ですので、開発を外部のベンダーに丸投げしました。今回の件はベンダーの設計ミスによるものですが、テストの重要性を理解していなかった、私の責任も大きいと思います」
080218_sp1_4.jpg 『ITを推進する体制の不備』十和田さんの上司の証言
「自治体には、定期的な人事異動があります。情報システム部門でも同じですので、どうしても専門知識を持った人材が育ちにくいのです。ITを受け入れるべき組織体制ができていない、これが今回の失敗要因ではないでしょうか」


【教訓その2】
ベンダーの作業を管理するため、最低限のITスキルは必須!
自信がなければ、ITコンサルタントなど外部の協力を得るべし!!

 

ITの失敗は大企業もなぎ倒す!? まだまだ続くIT導入失敗事例は次ページで >>

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blog_icon_16_s.jpg特集目次

【その1】会社は言う「スーパーIT担当者たれ」と
【その2】好き勝手を言う社内の人々
【その3】背筋も凍るIT導入失敗事例
【その4】IT担当者のお悩み解決サイト『シス蔵』に迫る!
【その5】 NEXTWISE厳選 システム管理者関連書籍
「IT担当者の困りごと」アンケート途中経過(2/21)
IT担当者の困りごとアンケート結果発表!!