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いよいよ公開されるOpenOffice.org3.0の本当の実力

kikaku詳細, OSS, NEXTワード2008年09月19日 10:57 AM

誰でも自由に利用できる統合オフィスソフトで、Microsoft Officeと高い互換性を持つ、OpenOffice.org(オープンオフィス ドット オルグ)のバージョン3.0の公開が近づいている。PDFファイルの編集機能とMac OS XのAqua対応を目玉にした、バージョン3.0の特長を解説する。

「ソフトウェアは、バージョン3で実用的になりヒットする。」
ソフトウェア業界に伝わる古いジンクスだが、MicrosoftのWindows3.0や一太郎3など、このジンクスに従う製品は多い。

さて、OpenOffice.orgバージョン3.0が、この秋いよいよリリースされる。すでに、リリース候補の第1弾が公開されており、出荷に向けてラストスパートに入っている。OpenOffice.orgは、次のような特長を持つ。

  • ワープロや表計算・プレゼンツールなどを統合したオフィスソフト
  • 無料で入手できて、誰でも自由に利用できる
  • マイクロソフトオフィスのファイルを読み書きでき、操作もよく似ている
  • ほかのソフトと文書交換しやすい、標準ファイル形式OpenDocumentを採用(ISO 26300)

ooo30.png
使い勝手はそのままに、安定度が増したOpenOffice.org3.0。一見すると従来バージョンとの違いが分からないが、アイコンのデザインが刷新されている。

ワープロや表計算ソフト・プレゼンツールなどをひとつにまとめた統合オフィスソフトは、その使い勝手の面では、すでに完成形となっている。最も人気を集める統合オフィスソフトであるMicrosoft Officeでは、新バージョン2007で新しい操作性「リボンインターフェース」を採用したが、企業ユーザーを含む多くのユーザーが、現在も従来バージョンを日常的に使いこなしている。これは、新しい操作を覚えたくないという心理と共に、Microsoft Officeユーザーが新バージョンへの移行に伴い、追加のライセンス料の支払いを避けたいという思惑もあるだろう。

そんな中で、OpenOffice.orgバージョン3.0は、いくつもの新機能を搭載して登場する。この中で重要なのは次の3つの機能と考えている。

バージョン3.0の新機能

まずは、もっとも注目を集めるのが、PDFファイルの編集機能である。PDFファイルは、特別なツールでなければ編集できないファイルを配布したい場合などに使われる文書ファイルフォーマットである。無料で利用できるAdobe Readerによって閲覧できる。高機能なAcrobatから、フリーソフトまでPDF作成機能を備えるツールは数多く存在する。

バージョン3.0では、このPDFファイルの編集機能を備えている。これは、Sun PDF Import (SPI)という機能拡張(プラグイン)として用意される。ただし、文書ファイルを読み込んだ場合に、ワープロツールで編集するのではなく、OpenOffice.orgの図形描画ツールDrawに読み込まれる。複数の行がある場合には、行ごとにテキストボックスが作成される。PDFファイルの再編集機能というよりも、既存のPDFファイルに文言を追加するといった使い方を想定するといいだろう。各種申し込み書などがPDFファイルで配布されることが多いが、印刷してから手書きするのではなく、OpenOffice.orgで必要な情報を追加すると良いだろう。

もうひとつの目玉機能は、Mac OS XのAquaに正式に対応したこと。これまでも、Mac OS X版のOpenOffice.orgは存在していたが、ユーザーインターフェースが他のMac OS Xの操作と異なっているなど、中途半端さは否めなかった。Mac OS XのAquaに正式対応することで、WindowsやLinuxなど主要なOSに対応することになる。OpenOffice.orgを使うユーザーの幅が広がれば、情報交換やコミュニティ活動の層も厚くなり、より安心して使えるようになるだろう。

さて、実はこれ以外には、驚くような新機能は見当たらない。細かな改善は多数あるものの、Microsoft Office2007のように既存の使い方を大胆に変えるほどの大きな変更はない。そうは言っても、その内部では大きな改良が行われており、今まで以上に安心して使用できるものになっているという。信頼性の向上こそが、バージョン3.0の最大の新機能なのだ。バージョン3でブレイクした他のソフトウェアと同じように、OpenOffice.orgもいよいよ、安心して使えるソフトウェアに仲間入りするかも知れない。

すでに、多くのユーザーがOpenOffice.orgを使い始めている。住友電気工業や会津若松市など大口の導入事例も紹介され始めている。

ライセンス料よ、サヨウナラ

さて、あなたならOpenOffice.orgバージョン3.0を使い始めるだろうか。ここで注目したいのは、そもそもOpenOffice.orgならライセンス料を支払う必要はないという点だ。

Microsoft Officeの従来バージョンは、すでに無償サポートが終了し始めている(参照)。たとえば、Office2000のメインストリーム サポートは、2004年6月末で終了している。セキュリティ更新プログラムが無償提供される延長サポートは、2011年7月12日までとなっている。他のバージョンについても、新しいバージョンが出るたびに、順次サポートが終了していく。あなたが使っているMicrosoft Officeにセキュリティホールが発見されても、アップデートプログラムは提供されないかも知れない。Microsoft Officeを使い続けている限り、操作の異なる新バージョンに有償で移行せざるを得ないのだ。

その点、OpenOffice.orgならバージョンアップに伴って、ライセンス料を支払う必要はない。移行に伴って、ユーザー教育やサポート体制の構築が必要になるかも知れないが、それは操作の変わったMicrosoft Officeでも同様だ。

どうせOpenOffice.orgを使い始めるのなら、早く取り組んだほうが慣れるのも早いと思うのだが、如何だろうか。

OpenOffice.orgは、OpenOffice.org日本語プロジェクトから誰でも無料でダウンロードできる。現在は、バージョン2.4.1を配布中。また、日本ユーザー会が、Microsoft Officeとの互換性情報やQ&Aを提供している。

可知 豊

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