NEXTWISE
 
Close up! > デジタルハリウッド・杉山知之学校長

Close up!

デジタルハリウッド・杉山知之学校長

kikakuCALLING!2007年08月27日 10:11 AM

デジタルハリウッド株式会社にて行われた、杉山知之学校長へのインタビューの裏側を届けるWeb限定企画。フリーマガジン『NEXTWISE』誌面に載せきれなかった、杉山学校長の想いを届ける。  

杉山先生2blog_icon_16_s.jpg社名の由来
社名を『デジタルハリウッド』にするにあたっては、いくぶんの葛藤がありましたね。日本人なのに“ハリウッド”を名乗る抵抗感と言いま しょうか。ただ、インパクトがあって覚えやすいのは確かで、加えて言えば、これには21世紀のクリエーター像そのものが投影されています。力あるクリエー ターが組織に属すというスタイルではなく、プロジェクトごとに集合がかけられてチームを組むようになり、モノをつくり、ビジネスを立ち上げるなどの一定の 成果を上げたら解散する。これは、プロデューサーがプロジェクトを発表し、最適の監督・俳優・カメラマン・衣装・大道具の各担当を選び、ファイナンスをす るという、映画の“ハリウッド”そのものなんですね。デジタルコミュニケーションは、そうしたネット上ですべて完結する適材適所かつ離合集散型のビジネス を支えるものとして、重要になってくるはずです。また、一年のうちの9カ月ぐらい集中的に仕事をして、あとの3カ月はリゾート地で過ごすとか、そんなハリ ウッドに代表されるセレブな業界人への憧れもありますね(笑)。

blog_icon_16_s.jpgセカンドライフの可能性
セカンドライフ(SL)は、バーチャルな世界にもう一つの人生を構築できるというサービスですが、こうしたものの出現は90年代あたりから予想はしていま した。現代人はどんどん欲張りになっていますから、さまざまな情報が手に入るようになったら次は「さまざまな人生を試してみたい」と考える。物理的な一人 の人間がいくつもの人生を同時に体験するのは容易ではありませんが、ネットを介して、リアルな自分とは別のパーソナリティを試すことはできます。例えば、 SLであれば20歳の人が50歳の人を演じることも、そのまた逆も可能であり、そうした知恵やスキルを駆使できる能力が、現代人には備わっているともいえ ます。しがらみだらけのリアルな社会では、自分を思うように出すことができません。逆に、いろんな世界でいろんな自分を表現できれば、自分という人間をよ り正しく認識できるはずです。複数の人格を持つということに否定的な見方をする人もいますが、リアルな世界だけに縛られてストレスをためる方が問題である 気がしますね。

blog_icon_16_s.jpg新しい時代の自己表現
例えば、SLの中で自分のアバターを作るとします。そうした場合、どんなアバターであっても、そこにはリアルの当人が持っている“何か”が表現されている 場合が多いんですね。つまり、アバターを分析すると、その人の抱いている本当の思考が見てくる。今後はアバター専門の分析みたいなことが、マーケティング などに利用されるかもしれませんね。「渋谷区在住の45歳男性」なんていうデータよりよほど雄弁な情報が手に入るはずです。SLに関しては、デジタルハリ ウッドの院生や教授による書籍も出ています。日本語で出ているSL本の8割方にはメンバーが何かしらの形でかかわっているのではないでしょうか。また、院 生によるSL関連の会社もいくつか立ち上がっています。今は、SL内に、それなりのアバターや建物といったちょっとした環境を用意するだけで商売になる時 期で、具体的にそこから何をするのかという企画のフェーズがこれから本格化するでしょう。さまざまな企業にビジネスチャンスが広がるはずです。

blog_icon_16_s.jpg転機としてのデジタルハリウッド
デジタルハリウッド自身もこれまでの13年間でさまざまな転機ありましたが、僕にとっての最大の転機は、「21世紀は大変なことになるな」という思いを抱 いた、20年前のMITメディア部での体験ですね。デジタルハリウッドとしては、当時の僕のように、卒業生が10年後、20年後に、「あのときが転機だっ たんだな」と思ってくれるのであれば幸いです。デジタルコミュニケーションを覚えた卒業生にとって、良い方向へと人生を展開させるきっかけとなるものを、 学校としても会社として追求し続けていきたいと考えています。

杉山先生1杉山知之(すぎやまともゆき)
1954年東京生まれ。1987年よりMITメディア・ラボ客員研究員として活動。1990年国際メディア研究財団・主任研究員、1993年日本大学短期 大学部専任講師を経て、1994年10月デジタルハリウッドを設立。2004年、05年にそれぞれデジタルハリウッド大学院、デジタルハリウッド大学を開 学し、両校の学長を務める。

「校長日記」スギヤマスタイル
http://www.sugiyama-style.tv/